人生いつまでも綺麗に!!介護美容について解説

介護

こんにちは、K田です!https://twitter.com/minevista117

皆さん、”介護美容”という言葉を知っていますか?

介護美容とは、介護を要する高齢者に美容サービスを提供するものです。

私も仕事上、毎日多くのご高齢の方と関わる機会があります。

その中で、髪や肌の話題になることがあるのですが、

「こんなおばあさんが綺麗になってもしょうがない」「もう誰も見ていないからねぇ」

と、ご自身の美容に関して投げやりな態度を取られている方が多い印象です。

しかし、そんな方でも髪を切ったり、染め直したりされた後には、心做しか表情が明るくなります。

もちろん、女性だからということもあるでしょうが、いつまでも綺麗でいることはQOLを維持していく上で大事なことだと感じさせられます。

そこで今回は、近頃注目の介護美容についてお話していきたいと思います。

この記事は、こんな人にオススメです!

  • 美容介護について興味のある人
  • 医療・介護職の人
  • 美容関係の仕事に従事されている人

介護美容とは?

近年、高齢化社会の進展とともに注目されているのが”介護美容”です。

介護美容とは、介護を必要とする高齢者に対して、美容サービスを提供することで、心身両面の健康と生活の質(QOL)向上をサポートするものです。

現代社会では、”アンチエイジング(抗老化)”が日々各メディアで取り上げられ、アンチエイジング市場は年間数百億円規模となっています。

特にアメリカにおいては、2007年時点で年間1170万件の美容形成術が行われ、その約20%を65歳以上の高齢者に施行されています。

これは介護が必要となった高齢者においても例外ではありません。

『いつまでも綺麗でいたい』という気持ちに答えるのが、”美容介護”です。

介護美容の目的と効果

介護美容は、単に見た目を整えるだけでなく、高齢者の「生きる力」を支える重要な役割を担っています。

まず最初に、介護美容の目的とその効果についてお話していきます。

心身の健康増進

美容施術を行うことで、自身の変化に気づき、感情や自律神経の安定化、自己肯定感の向上につながります。

また、自身でメイクをした場合、食事の2〜3倍の筋力を使うため、ADLの維持向上につながります。

その他にも、

  • 清潔な状態を保つことで、皮膚疾患や褥瘡(じょくそう)の予防につながる
  • マッサージやストレッチを取り入れることで、日々の身体への負担の軽減にもつながる

といった効果が期待できます。

QOL向上

美しい見た目や清潔な状態を保つことで、自信や自尊心を高め、生きがいを見出すきっかけになります。

また、美容を通して他人とのコミュニケーションを活性化し、社会とのつながりを深める効果も期待できます。

認知症予防

脳への刺激や手指の運動となる美容ケアは、認知症の予防や改善に効果があるとされています。

肌に触れる、良い匂いを嗅ぐ、様々な色に触れ、メイクを考える。

このように、五感を使ったり、自身の頭で考えることで、脳へ程よい刺激を与える効果が期待できます。

介護美容で行われる主なサービス

介護美容で行われるサービスは、施設や事業者によって様々ですが、一般的には以下のようなものがあります。

ヘアカット・スタイリング

高齢者の髪質や体力に合わせたカットやスタイリングを行い、清潔で整った髪型を保ちます。

髪のケアは、日々の自身のケアでも最も身近な行為の1つです。

そのため、ヘアカットやスタイリングを行うと、その変化はすぐに実感できるため、「髪切った?」と声掛けすると、みなさん非常に喜ばれます。

私も髪を切った後はテンションが上りますが、これは皆さん同じようです。

シャンプー・ブロー

頭皮マッサージやアロマテラピーを取り入れたシャンプー・ブローは、心身をリラックスさせ、リフレッシュ効果をもたらします。

頭皮は首コリや肩こり、眼精疲労にも影響します。

特に高齢者の方は筋肉が硬いため、非常に効果が期待できそうです。

メイク

肌色や顔立ちに合ったメイクを施すことで、華やかさをプラスし、自信を高めます。

私はメイクを実際にしたことは無いのですが、メイクをすることで本当に表情も若々しくなるというのはよくわかります!

実際に久しぶりにメイクをしたいう女性の方とお話しましたが、それはそれは満面の笑みを浮かべていました。

ネイルケア

爪切りややすり、ハンドマッサージなどを行い、手元の清潔感と美しさを保ちます。

以前、私の祖母が抗がん剤の副作用で、爪が黒く変色してしまいました。

そこで、妻がネイルを用意して祖母の爪をデコってくれたわけなのですが、祖母が非常に喜んでいたのを思い出しました。

やはり爪が綺麗だと”アガる”のはどの年代でも同じようですね笑

スキンケア

洗顔、保湿、マッサージなどを行い、肌の健康を維持し、乾燥やシミ、シワを防ぎます。

特に高齢者の方は、皮膚の水分量が少なく、乾燥しやすいです。

乾燥すると、ひび割れなどで不快感につながるため、その改善に効果的です。

その他セラピー

耳かき、足湯、アロマテラピーなど、高齢者の心身をリラックスさせる様々なサービスを提供している場合もあります。

介護美容に関わる資格

介護美容師

介護美容に関する専門知識と技術を習得したことを証明する資格です。

福祉美容介護士

理容師、美容師が習得できる資格です。

介護現場における理美容サービスの影響に必要な知識・技術を習得できます。

美容関係の資格

メイクセラピスト・アロマセラピストなどの職種です。

リハビリテーション職

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のことです。

特に作業療法や言語聴覚療法は、メイク等に大きく関連のある動作に関連します。

主な提供場所

美容介護サービスの主な提供場所としては、各施設や皆さんのご自宅へ訪問し、サービスを提供するパターンがほとんどです。

近頃では、美容介護特化のデイサービスも設立されています。

私の職場でも、先日美容介護の方々が来られ、ヘアメイクやネイルなどを入居者の皆さんに提供されていました。

参加者の割合は、やはり女性がほとんどだったようですが、それでも皆さんいつもと違う自分の様子に、思わず笑顔がこぼれていました。

介護美容の現場と課題

介護美容は、高齢者の生活の質向上に貢献する有益なサービスとして、近年注目が高まっています。

しかし、介護美容を提供できる施設や事業者はまだ十分ではなく、多くの高齢者がサービスを受けられる状況にはありません。

また、介護美容に関する認知度も低く、十分な理解を得られていないのが現状です。

私も、先日テレビで美容介護についての話題を目にするまでは、その単語すら知りませんでした。

しかし、調べてみると、男女関係なく提供する価値のあるサービスだと感じました。

私も髪型には並々ならぬこだわりをもっているのですが、もし将来自身の足で美容院へ行けなくなってしまったら、是非頼んでみたいと思います。

実例紹介

最後に、現在美容介護の業界で活動されている組織や会社を少しですが、紹介させていただきます。

一般社団法人 日本介護美容セラピスト協会

こちらの協会では、『ビューティータッチセラピー』の提供およびセラピスト育成がされています。

2024年より、ビューティータッチセラピーを取り入れたデイサービスを開業されているとのことで、美容介護の中でも、より徒手的な介入に重きを置いている印象です。

介護美容 Smile Life

こちらは、元言語聴覚士(ST)の方が企業された、訪問介護美容サービスの会社です。

実は、テレビでこちらの会社の特集を見て、本記事を執筆しようと思いつきました。

代表の出本さんは、元々STとして病院や施設、訪問リハビリ等で様々な疾患の方の治療に携わられています。

現在ではSTならではの専門知識を活かし、飲み込みや健康美容体操の提供もされており、リハビリ✕介護美容資格の二刀流で活躍されています。

今後のリハビリテーション職の働き方として、非常に興味を持ったので、紹介させていただきました。

まとめ

今回は、介護美容についてお話をしてきました。

本記事の内容をまとめると、

  • 介護美容とは、介護を必要とする高齢者に対して美容サービスを提供するもの
  • 介護美容の効果として、心身両面の健康やQOL向上、認証予防の効果が期待できる
  • 介護美容の施術内容は、ヘアメイクやネイル等、多岐にわたる
  • 介護美容を扱う業者もちらほら出てきているが、まだまだ普及していない

となります、

今後、高齢化社会の進展とともに、介護美容の需要はますます高まっていくことが予想されます。

介護美容は、高齢者の心と体を美しく輝かせるケアです。

私もいくつになっても自身の清潔を保ち、綺麗でかっこいいヘアスタイルをキープしたいです!

今後、介護美容がより多くの人々に認知され、普及していくことが期待されます。

本記事が、皆さんの介護美容への理解の向上につながれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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