いまさら聞けない?理学療法士とは?

医療

皆さんのこんにちは、K田です。

最近、当ブログを執筆していて思ったことがあります。

それは「理学療法士とは何ぞや?」ということです。

『理学療法士である私の視点を通して世の中の色々なことを考察し、共有していく』というのが当ブログのコンセプトなのですが、そもそも理学療法士がどんな職業なのか理解されているのだろうか?という疑問が湧いてきました。

そして、理学療法士のこと理解していただければ、私がどのような思考で記事を執筆しているか、もっと伝わるんではないかと考えました。

そこで今回は『理学療法士とは?』というテーマで話を進めていこうと思います!

この記事はこんな人におすすめです。

  • 理学療法士について興味のある人
  • 理学療法士について知りたい人

理学療法とは?

理学療法とは?

理学療法士についてお話する前に、『理学療法』についてお話していこうと思います。

日本理学療法士協会(https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapy/)によると、理学療法とは

病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
「理学療法士及び作業療法士法」第2条には「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義されています。

と説明されています。

簡単に言うと理学療法とは、病気やけが、高齢や障害などで動きが悪くなった人の運動機能を維持・改善するために、運動や温熱、電気などを使ってサポートする治療法ということです。

理学療法の対象

理学療法の対象者は、怪我や病気により身体機能が低下した人が主となります。

しかし、近年では糖尿病や腎臓病予防として若〜中年の方への運動療法の提供や、高齢者の予防対策、現役世代への腰痛予防対策や産後の妊婦さんへの体操指導等、対象の幅は多岐に渡っています。

もちろん先程お伝えしたように、怪我や病気の方が主となりますが、内科・外科問わず様々な疾患も対象となります。

以下にその具体例を列挙していきます。

理学療法が対象となる主な疾患と対象

運動器疾患(整形外科系)

代表的な疾患

  • 骨折後のリハビリ
  • 関節炎(変形性膝関節症、股関節症など)
  • 腰痛症(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)
  • 捻挫や靭帯損傷(前十字靭帯損傷など)
  • 筋肉損傷(筋挫傷、腱断裂など)
  • 骨粗鬆症

脳神経疾患

代表的な疾患

  • 脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
  • パーキンソン病
  • 多発性硬化症
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 脊髄損傷
  • 外傷性脳損傷

循環器疾患

代表的な疾患

  • 心筋梗塞や狭心症
  • 心不全
  • 大動脈解離や動脈瘤手術後のリハビリ
  • 閉塞性動脈硬化症(下肢の血流障害)

呼吸器疾患

代表的な疾患

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 肺炎(特に高齢者)
  • 気管支喘息
  • 肺線維症
  • 胸郭変形(胸椎後弯症、漏斗胸など)

小児疾患

代表的な疾患

  • 脳性麻痺
  • 筋ジストロフィー
  • 発達障害(運動発達の遅れなど)
  • 二分脊椎

高齢者関連疾患

代表的な疾患

  • 廃用症候群
  • 認知症に伴う運動機能低下
  • フレイル(虚弱)
  • サルコペニア(筋肉量の減少)

スポーツ関連障害

代表的な疾患

  • オーバーユース症候群(疲労骨折、腱炎など)
  • 肉離れ
  • スポーツ外傷(打撲、骨折など)

がんリハビリテーション

代表的な対象

  • がん治療後の体力低下
  • リンパ浮腫
  • 手術後の運動機能回復

外科術後

代表的な対象

  • 腹部・胸部手術後の早期離床
  • 心臓手術後のリハビリ
  • 四肢切断後

代謝疾患

代表的な対象

  • 糖尿病
  • 腎臓病
  • 肝硬変

このように上げるとキリが無いですね笑。

このことからも、理学療法の対象が幅広いということが、改めて理解していただけたと思います。

理学療法士とは?

理学療法士とは?

さて、理学療法について説明したところで、次にはいよいよ理学療法士について説明していきたいと思います。

日本理学療法士協会https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapist/)によると、理学療法士とは

ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

と説明されています。

理学療法士は、英語でPhysical Therapist(PT)とも呼ばれます。

病院等でPTと言ったら理学療法士にことを言っているんだなと思っていただければ大丈夫です。

理学療法士は、一言で言うなれば動作の専門家と言えます。

起きる・立つ・歩くといった日常生活の中での基本的な動作はもちろん、日頃の運動や専門的なスポーツの動作についても指導を行います。

余談ですが、プロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ選手や、大谷翔平選手も専門の理学療法士がついているとのことです。

なお、日本理学療法士協会から理学療法士ガイドなるものが発行されています。

これは、理学療法士がどのような場所で活動しているのか紹介する広報ツールです。

URLを貼っておきますので、興味のある方は一度御覧ください。

理学療法士ガイド(冊子・リーフレット)→https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapy/tools/guide/

理学療法士の活躍場所

理学療法の対象がどのような疾患であるかは、先程お伝えしましたが、どのような場所で働くかということもお伝えしていきます。

【理学療法士の活躍場所一覧】

医療施設

理学療法⼠は、様々な疾患の発症早期から、状態や時期に応じた理学療法を病院/診療所などの医療施設において提供しています。

病院内での理学療法のフェーズは、急性期・回復期・維持期の3つに分類されます。

急性期

急性期(手術直後や発症後早期の安静が必要とされる時期)でも、積極的な理学療法の介入はその後の回復に大きく影響します。
重篤な患者さんが24時間体制で治療を受ける集中治療室(ICU)などの場面においても、理学療法士は活躍しています。

回復期

手術や病気が落ち着き、あとはリハビリがメインの治療となってくると、回復期の病棟や病院でリハビリを行うことが多くなります。

一日計1〜2時間のリハビリを行い、より社会復帰にむけてリハビリを行います。

維持期

身体機能の回復の目処が立ってくると、患者さんの残された身体機能に合わせて社会復帰へのサポートを行います。

自宅や屋外で、より実際の生活を踏まえたリハビリを行います。

場合によっては患者さんの自宅に伺ったり、退院後に利用するサービスについての調整も行います。

介護施設・在宅

介護施設や在宅においては、より患者さんや利用者さんの生活に合わせてリハビリを行います。

例えば近所のスーパーまで買い物に行く、屋内での生活が安全に過ごせるように装具や福祉用具の調整を行うといったことも、大事なリハビリの一環です。

健康増進・予防

最近では、産業医学の分野において、肩こりや腰痛予防の観点で理学療法士の役割が重要になってきています。

また、生活習慣病や加齢による身体機能低下の予防の場面においても、理学療法士の活躍の場が広がっています。

教育現場・研究

理学療法士の質を維持・向上していくためには、養成校での教育が非常に重要です。

教育現場で活躍する理学療法士は、優れた理学療法を行うための知識と患者さんの立場に寄り添う感性を併せ持つ理学療法士を養成することが使命です。

また、理学療法は科学に基づいた治療であり、理学療法士は科学者や研究者的な側面を持ちます。

例えば、広島大学では理学療法士が再生医療の研究に取り組んでいるとのことです。

プロスポーツチーム・選手

スポーツにおいては、選手の体のケアは何よりも大事なことです。

特に体が資本となるプロスポーツにおいては、理学療法士は必要不可欠な存在と言えます。

自分が携わった選手やチームが日本一や世界一になったことを考えると、何とも夢が広がりますね。

企業

最近では、企業の中でも理学療法士の採用を行っているところがあります。

例をあげると

  • 健康機器・医療機器メーカー
    • リハビリテーション機器メーカー
    • 義肢装具メーカー
    • 健康器具メーカー
  • 自動車関連企業
    • 自動車メーカー
    • カーシート製造企業
  • 介護・福祉関連企業
    • 介護用品メーカー
    • 福祉機器開発企業
  • 人材サービス企業
    • 医療・介護専門の人材紹介会社
    • 派遣会社
  • 健康経営推進企業
    • 大手企業の健康管理部門
    • 健康経営コンサルティング会社
  • その他
    • 住宅メーカー(バリアフリー住宅)
    • 旅行会社(バリアフリー旅行)
    • フィットネスアプリ開発企業

といった様々な企業があげられます。

私の後輩でも、卒業してからそのままコンサルティング会社に入職した人もおり、理学療法士の中でも様々な働き方が広がっています。

以上のように、病院や施設に限らず様々なところで理学療法士の活躍の場が広がっています。

私も、もし次に転職するなら、医療以外の世界にも飛び込んでみたいな〜なんて考えていたりもします笑

理学療法士協会では、理学療法士が活躍する場所も紹介されています。

URLを貼っておきますので、興味のある方はこちらも御覧ください。

理学療法士とは?理学療法士の活躍場所について:https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapist/

まとめ

今回は、『理学療法士とは?』というテーマでお話を進めてきました。

対象の疾患や活躍の場所は多岐にわたるということがお伝えできたと思います。

是非みなさんこの記事を参考にしていただき、理学療法士についての理解を深めていっていただければと思います。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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