こんにちは、K田です。
最近学会の抄録作成にかかりきりで、中々記事を更新できませんでしたが、久しぶりの投稿です!
学会発表したことがある方はわかると思いますが、抄録作成って大変ですよね。
規定の文字数内で自分の言いたいことを論理的に表現することの難しさといったら・・・。
そこで今回は、今まで10回以上学会発表経験のあるK田が、抄録作成のポイントについてお伝えしていこうと思います。
慣れてくれば、一つの抄録作成自体は1週間もあればできるようになります。
この記事を読んで、是非皆さんも抄録作成のスキルを高めていきましょう!
この記事はこんな人にオススメです!
- 抄録作成が苦手な人
- 抄録作成のポイントを知りたい人
ノートに書き出してみよう
抄録の作成においてよく聞かれるのが『何を書いていいかわからない』『書く内容がわからない』といった声です。
私の経験上、そのような自体に陥ってしまう原因の多くが
いきなり抄録を書き出してしまうこと
です。
「抄録を作るんだったら書かないといけないでしょう?」といった声も聞こえてきそうですが、そうではないのです。
もう少し細かく言うと
構成がしっかり出来ていないうちに書き出すのは止めよう
ということです。
抄録作成において何を書いていいかわからない=自分の中で構成が固まっていないということに他なりません。
プロのウェブライターの方も、記事を書く前には紙に書く内容を書き出しす作業を行うそうです。
こちらの本でもまずは文章を書く前に内容を考えるように記されています。
抄録作成=文章力がものを言うので、気になる人は是非手にとって見てください。
ここで重要なのが、PCやスマホのメモではなく、ちゃんと紙に書き出すことです!
紙に書いたほうが、自由にメモを取れたり、いざという時にすぐに確認できるからです。
紙に書き出す際にもポイントがあります。
それは
- 「コンセプト=伝えたいこと」をはっきりさせること
- ストーリーを意識すること
- 必要なデータを漏れなく集めておくこと
です。
「コンセプト=伝えたいこと」をはっきりさせること
『コンセプト』をはっきりさせることというは、あなたが抄録の中で何を1番伝えたいかを表すものです。
これがはっきりしていると、抄録を書き進めて行く中で迷った際の、羅針盤となります。
つまり、自身が進むべき方向性をはっきりさせておくことが重要ということです。
ストーリーを意識すること
『ストーリー』を意識することというのは、文字通り話に流れがあるかということです。
症例発表も、研究も一つの物語です。
どんなに作画や声優が素晴らしい映画でも、ストーリーがめちゃめちゃだったら誰も見てくれません。
ストーリーが良ければ、映画の中で何を伝えたいかが観客に伝わります。
抄録も同じで、ストーリーがしっかりしていることで、読み手の理解につながる。
すなわち、わかりやすく良い抄録になるのです。
必要なデータは漏れなく集めておく
最後に重要なのが、『必要なデータは漏れなく集めておく』という点です。
自分の持っているデータが少ないと、考察がうすっぺらくなり、説得力が無くなってしまいます。
また、内容的にも間違った内容を伝えてしまうかもしれません。
症例検討や研究においても、先行文献等を参考にして、必要なデータは手元に準備しておきましょう。
文字数に関係なく書いてみよう
次にお伝えしたいのが、『とりあえず文字数制限は気にせず書いてみよう』という点です。
大体の抄録が600〜1200文字程度で設定されています。
学会によっては、題名や演者名を含めて600文字なんて場合もあると言います。
ここで問題となるのが、「規定の文字数の収まらない〜!(泣)」という事態です。
自分の伝えたいことを短い文章で伝えることは、非常に難しいことです。
はたまた色々なデータを含めた上で、自身の伝えたいことを伝える文章を作るのは、なんて難しいんでしょうか。
そこで、その苦手意識を取っ払うためにも、まずは文字数を気にせずに、自身の伝えたいことを書いてみることをオススメします。
一通り文を書き終えたら、そこから校正作業に入っていきましょう。
読み返していくと、意外と削れる部分が多いことに気づくはずです。
校正作業に行き詰まったら、上司や先輩にアドバイスを求めたり、はたまたChatGPTのような生成AIを使ってみるのも1つの手段でしょう。
※注意してほしいのが、あくまでAIは作成の補助ツールとして使用してください※
どんどんアウトプットしよう
一通り形になってきたら、どんどんアウトプットしてみましょう。
上司や先輩、同僚等に見てもらい、自分の伝えたい内容が伝わるか?言い回しで変な部分は無いか?という点をチェックしてもらいましょう。
個人的に、最初のうちは少しでも気になる部分があれば、その都度アウトプットするくらいの感覚で良いと思います。
一度書いてみてわからないところや悩むところが出てきたら、とっとと相談してしまったほうが早く解決します。
そして、ある程度内容が固まってきたら、何人かの人に”前情報がない状態で”読んでもらいましょう。
なぜかと言うと、実際の抄録を見る人は、いきなりみなさんの抄録を読むはずです。
すなわち、初めて読む人がわかるような内容でないと、抄録として意味をなさないのです。
なお、アウトプットする上で注意点が1つあります。
それは、『アドバイスを貰う人を決める』ということです。
メインの指導者となる先輩や上司は必ず1人2人といると思います。
その人達にはいくらでも相談すると良いですが、注意すべきは外野の人の意見です。
考え方や捉えからは個人差が大きく、「指導者はこれで良いと言ったけど、別の先輩には分かりづらいと言われた」なんて事態はざらにあります。
そのため、あまりにも多くの人にアドバイスをもらうと、何が何だからわかなくなってしまう危険性があります。
余裕を持って仕上げよう
最後に伝えたいのが余裕を持って仕上げるという点です。
大体どの学会でも、抄録の登録〜締め切りまで1〜2ヶ月は期間があります。
私の経験上、当初の締切より登録期間が延長されることがほとんどです。
だからといって、のんびり作成しているとギリギリになって痛い目を見るので、十分余裕を持って完成できるよう、スケジューリングを行いましょう。
完成の具体的な目安としては、遅くとも”締切の1周間前”としましょう。
「これで完成や!他に直すところは無い!」と思っていたとしても、読み返すと誤字脱字が見つかったり、変な言い回しが気になって修正するなんてことがざらにあります。
そもそも、中々完成に至らない!なんて事態に陥る可能性も大いにあります。
締切が近くなると、少なからず焦りが生まれ、作成する抄録のクオリティーの低下につながる可能性があります。
それになにより、皆さんの精神衛生上よろしくありません(笑)
そのため、特に経験が浅い人ほど、余裕をもって作成に取り組むよう、心がけてみてください。
まとめ
今回は、抄録作成のポイントを4つお伝えしてきました。
まとめると
- ノートに書き出してみよう
- 文字数に関係なく書いてみよう
- どんどんアウトプットしよう
- 余裕をもって仕上げよう
となります。
学会発表においては、抄録よりも発表資料のほうに重点を置かれがちですが、その考えは改める必要があります。
先述したように、抄録内でのしっかりとしたストーリーがあるからこそ、その後に続くパワポやポスターで内容を深堀りしていけるのです。
たかが抄録、されど抄録
ぜひ皆さんも、怖がらずに抄録作成、学会発表に積極的に取り組んでいっていただければと思います。
この記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです!!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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