こんにちは、K田です。
先日、ChatGPTは理学療法士の仕事に活用できるのか?というテーマで話を進めました。
今回は、Copilot実際にChatGPTで調べものをしてみて、それが日々の業務に活用できるのか!?という点を検証していこうと思います
この記事はこんな人にオススメです!
- 医療従事者の方
- AIの活用方法を知りたい方
- Copilotに興味のある方
AI Copilotの概要
Copilotとは?
Copilotとは、Microsoftが開発したAIアシスタントで、2023年11月に提供が開始されました。
その特徴は、業務効率化を目的として、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsなどに生成AI機能を加えるという点です。
Microsoft社は、OpenAI社と強固なパートナーシップを築いていますが、巨額の投資により、OpenAIのモデルを自社モデルに組み込めるようになりました。
このような背景から、Microsoft365というアプリ群に、Copilotという形でOpenAIの生成AIが組み込まれたのです。
なお、Copilotは日本語訳で「副操縦士」という意味であり、機長(私達)の補佐を行うという意味では、中々センスの良いネーミングだなと感じました。
Windows環境との相性
先述の通り、CopilotはMicrosoft社により提供されています。
そのため、同じMicrosoft社製のWindowsとの相性は抜群といえるでしょう。
例えば、OutlookでCopilotを使用すると、長いメールの要約や、返信を迅速に作成できます。
Teamsで使用すれば、会議の要約も作成できるため、議事録作成の大幅な短縮になります。
Excelでは、データの傾向分析や、グラフ作成のための作業時間を大幅に短縮することもできます。
このように、Microsoftアプリを使用する人にとっては、優秀なCopilot=補佐となります。
無料版と有料版の違い
Copilotには
- 無料版:Copilot
- 有料版(個人向け):Copilot Pro
- 有料版(法人向け):Copilot for Microsoft 365
の3種類があります。
無料版:Copilot
無料版「Copilot」では、AIチャットを無料で利用することができます。
無料版といえども、GPR-4ベースのLLMという大規模言語モデルを搭載しているため、テキスト以外にも画像処理・生成も可能です。
各記事の一番最初にでてくる、このくまさんですが、実はこれもCopilotの画像生成機能で作成したものなのです。
なお、Copilotの利用には無料版であってもMicrosoftアカウントの作成が必要となります。
有料版:Copilot pro
Copilot Proは個人向けのサブスクリプションサービスで3200円/月で利用できます。
無料版より処理の優先度が上がったり、Microsoft365との連携機能が使用できます。
有料版では、Microsoft365アプリでCopilotを使用でき、各種アプリで文章やデータの作成・編集が可能となります。
また、生成される画像も、横長形式のものが生成可能となり、より多くの画像が迅速に生成できます。
Microsoft365アプリでCopilotを使用したい方は、Copilot Proを使用すると良いでしょう。
有料版:Copilot for Microsoft 365
Copilot for Microsoft 365は法人向けのプランであり、1ユーザーあたり3750円/月で利用できます。
内容としてはCopilot Proと同等の内容ですが、社内での活用を目的に開発されています。
そのため、最大6TBのクラウドストレージや、共同作業も実施しやすいというのが特徴です。
具体的な機能と使用例
Copilot Proを使用している方に限りますが、我々医療従事者が使用する場合でもCopilotは業務負担を軽減する有用なツールになり得ます。
実際に使用する場面を想定してみましょう。
資料作成支援
まず一つ目に考えられるのが、資料作成の補助機能です。
Copilotは、以下のような場面で活用できます。
- 会議資料、議事録作成
- 抄録作成
- 発表スライド作成
例えば、プレゼンテーションを作成する際に、必要なデータを自動で収集し、グラフや表を挿入する機能があります。
また、文章の校正やレイアウトの調整も行うことができます。
各種データからグラフ等を作成するのは、
「ここを見やすくしなくては・・・」「上手くグラフが作れない・・・」
などと、手間がかかる作業の1つです。
そこが簡素化できるであれば、大きな負担軽減に繋がりそうです。
また、文章の構成に関しても、誤字脱字のチェックや文字数カウント等、人の目では時間がかかったり、エラーが生じたりする可能性があります。
しかし、AIを使用することで、そのようなヒューマンエラーを減らし、かつ負担も軽減できることが期待されます。
リハビリテーションにおけるデータ分析
次に考えられるのが、データ解析です。
Copilotは以下のような場面での活用が考えられます。
- 各種データの分析
- 膨大なデータから必要なデータの抽出
例えば、患者さんの評価データをExcelに記録していたとしましょう。
その量が多いと、必要なデータを探し出して分析するのは中々骨の折れる作業になります。
しかし、Copilotを使用することで、データの抽出から、グラフ等での分析の補助を行うことができます。
しかし、Copilotに患者一人一人の個別性を踏まえた分析は難しいため、あくまで分析の補助にとどめ、最終的には我々が確認して、患者さんにフィードバックを行うことが必要です。
コミュニケーションツールとしての利点
次に考えられるのが、コミュニケーションツールとしての利用です。
Copilotは以下のような場面での活用が考えられます。
- チャットやメールの返信機能
- 議事録の要約→共有
院内業務に従事していると、中々チャットやメールでコミュニケーションを取る場面は少ないかもしれません。
しかし、対外的な業務をされているかたにとっては、日々の多忙な臨床業務の傍ら、メール等の作成に時間を取られることを負担に感じる方も多いと思います。
そのような場合、AIにメールの返信を作成してもらえば、業務効率が改善できる可能性があります。
また、チームでのミーティング等で様々な意見が出たとしましょう。
その際も、Copilotを活用することで、Wordから速やかに議事録を要約→OutlookやTeamsで共有することができます。
実際に使ってみた
検索ツールとして
前回同様、「腎臓リハビリテーションについて最新の知見を教えて」という簡単なプロンプト(指示)を作成し、生成された内容を確認してみます。
生成された内容は以下のとおりです。
腎臓リハビリテーションは、腎疾患患者の進行予防や末期慢性腎不全で腎代替療法中の患者の精神的、身体的障害の軽減を目指す医療の一部です1。以下に、最新の知見をいくつかご紹介します。
- 腎臓リハビリテーションの目的: 保存期慢性腎臓病(CKD)患者においては腎保護、透析患者においては運動耐容能、身体機能およびADL・QOLの改善を通して生命予後を改善することが目的です2。
- 運動療法の重要性: 保存期慢性腎臓病患者が運動療法を中心とした腎臓リハビリテーションを行うことで、腎機能が改善したり、透析に移行するまでの期間が延長したという報告があります3。
- 透析時運動指導等加算: 2022年度の診療報酬改定により、「透析時運動指導等加算」が認められ、腎臓リハビリテーションの重要性と有効性をより明確に示すことが求められています2。
- 運動制限から運動療法へ: これまでは安静が基本とされていましたが、最近の研究の知見により、腎臓リハビリテーション・運動療法が生命予後改善のみならず新たな治療としての可能性をもつことも指摘され、「運動制限から運動療法へ」のコペルニクス的転換を果たしました4。
これらの情報は、腎臓リハビリテーションの進歩とその重要性を示しています。詳細な情報や具体的なアドバイスについては、医療専門家にご相談ください。15234
詳細情報
前回のChatGPTによる生成内容と比較すると、参考としたHPや文献も提示されるため、より検索の正確性や利便性が高いと感じました。
参考文献が一緒に提示されることは、抄録やPowerPointの作成に役立つと思います。
次に、「運動療法を提供する上での血圧の適性範囲、いわゆる運動の中止基準はどのくらいですか?数字も提示して具体的にお応えください。」
とのプロンプトも同じように聞いてみました。
生成された返答は、以下のとおりです。
運動療法を行う際の血圧に関する基準は以下の通りです:
これらの基準を超えると、運動療法は中止されるべきです1243。ただし、これらの基準は一般的なものであり、個々の患者の状況により異なる場合があります。したがって、具体的な運動療法の計画や実施については、医療専門家と相談することをお勧めします1243。
詳細情報
得られた回答だけを見ると、これだけでは少し不十分であるとも感じます。
しかし、参考にしたHPや文献も提示されているので、そこからさらに調べられる点は、有用な点になりうるでしょう。
Copilotの回答をそのまま使用するのはオススメしないが、提示されたHPや文献から理解を深めるのは有用。
まとめ
今回は、Copilotが日々の臨床で活用できるのか?
というテーマで話を進めて来ました。
K田的な意見としては
有料プランを使用できるなら、日々の業務の負担軽減になりうるかもしれない。
調べものをするときには、参考元も確認しよう!
です。
Microsoftを使用している人や企業は非常に多いと思います。
コストパフォーマンスを考慮した上で、日々の業務軽減につなげていけると、よりAIを使いこなせるでしょう。
また、前回のChatGPT同様、AIの言う事だけを信じず、あくまで”Copilot”だということを忘れないようにしましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
コメント